音楽作品と絵画の融合に、即興演奏やリアルタイム音響映像合成が組み合わさる、一夜限りの芸術空間。
2024年9月10日、杉並公会堂 小ホールにて開催した、Metamor No.1|Improvisation×Composition ‐ 生命と美が、たくさんのあたたかいお客さまに囲まれて終演しました。
ドビュッシー×ムンク
シェーンベルク×カンディンスキー
ガーシュウィン×モンドリアン
作曲特有の「磨き込まれた表現」と即興特有の「その場で生み出される表現」のインタラクティブな関係の中で、常に変容するオーディオ・ビジュアル表現。
これらの感覚を、ひとつの線で繋げてみる。
そんなプログラムでした!
一人ひとりの感覚を必死に言語化しながら、ワクワクする音や映像の動きを追求した、刺激的なリハーサルの日々。
こちらは、ムンクの「叫び」をテーマに作られた佐原洸さんの新曲「Vertigo 〜目眩」を演奏する様子。
ムンクがこの作品を描いたのは、意識が朦朧とし空が血のように染まったとき、海から叫び声が聞こえてきて、耳を塞いだという経緯から。
ピアノ、サックス、ライブエレクトロニクスによる即興演奏がベースの音楽に合わせて、筆からインクが滴り落ちるような演出を、チャ・ボムソクさんが手掛けてくれました!
モンドリアン「木の連作」の推移に合わせた即興演奏も。
この空間をみなさんと創ることができて、音と映像のコラボレーションとは何かを、全力で考えることができて、とても幸せな時間でした。
また、アンコールには「モンドリアン / 赤・青・黄のコンポジション」をモチーフにしたパネルを作って、新しい試みにも挑戦。
「アーティストは、即興演奏中にどんなことを考えながら演奏しているのか?」というのを、お客さまにもシェアしたいという奏者の思いで、遊び心を交えてこのシステムを作成!
同じ空間でこの感覚を一緒に体験してくださった皆さま、お手伝いしてくださった皆さま、本当にありがとうございました!
◆出演者
星野紗月(ピアノ)
袴田美帆(サクソフォン)
チャ・ボムソク (オーディオビジュアルアート)
佐原洸(作曲・エレクトロニクス)
Photo : Yasushi Yamabuki