サクソフォン奏者の歯列矯正の話

私は、2024年1月からマウスピース矯正をしています。

ここでは、私がサクソフォン奏者として歯列矯正に踏み切った理由や、マウスピース矯正を選んだ理由、そして治療をしながらの楽器演奏について詳しくご紹介します。

歯並びを気にされている方や、これから矯正治療を始めようか迷っている方の参考になれば嬉しいです!

矯正をしようと思ったきっかけ

私が矯正治療を始めた一番の理由は、これからも健康な歯で楽器の演奏を続けたいと思ったからです。

楽器を始めたのは小学校5年生で、中学・高校と吹奏楽部に入ってほぼ毎日楽器の練習をしていました。

小・中学生の頃まではそんなに歯並びを考えたことがなかったのですが、高校に入った頃から少しずつ、前歯が揃っていないことが気になるようになりました。

一番分かりやすいのが、サクソフォンを演奏する際マウスピースパッチの歯の跡が左右均等につかないことです。

前歯2本が揃っていないということは、楽器を吹くときに歯にかかる左右のバランスが悪いということで、これは放っておくと一生ずれていくんですよね。

その後大学生になり、3年生の秋からパリに留学して音楽院に入ったのですが、楽器を専門に勉強して練習時間が増えるにつれ、案の定みるみる歯並びが悪くなっていったんです。

留学当初はまだ耐えられたものの、1~2年後にはどんどん歯並びが悪くなっているのを実感し、だんだんと自分が笑った写真を見ても歯並びが気になるようになりました。

その頃から「どこかのタイミングで絶対歯列矯正したい」という想いが強くなり、歯列矯正についての情報収集を始めました。

とはいえ、留学中はコンクールや試験、コンサートの数が多かったので、なかなか時間をとって矯正治療に踏み切ることはできませんでした。

矯正治療を始めるまで

私は2023年10月末に日本に帰国したのですが、とにかく早く歯列矯正を始めたかったので、まず11月上旬に親知らずを4本一気に抜歯しました。

それと同時に近くの矯正歯科に行き、治療を始めるつもりで診察を受けたのですが、そこの矯正歯科では

・私の歯並びだとワイヤー矯正しか出来ない
・親知らず以外に4本抜歯が必要
・抜歯した後の隙間が埋まるまで半年以上
・歯並びが整うまで3年以上かかる

と言われ、少し考え直すことにしました。

マウスピース矯正よりもワイヤー治療の方が効果がある、という情報を見たことがあったのである程度覚悟はしていたものの、想像以上の結果でした。

そこから自分で色々調べ、やっぱり今主流になっているマウスピース矯正ができたらいいなと思ったので、今度はマウスピース矯正専門の先生がいらっしゃるクリニックを探して診察に行きました。

そこで検査してもらったところ

・私の歯並びでもマウスピース矯正可能
・抜歯なし
・歯並びが整うまで8ヶ月

という結果に。

その上、治療費用も初めに行ったところよりも安かったので、そこでマウスピース矯正の治療を決めました。

サクソフォンの演奏とマウスピース矯正

マウスピース矯正は、1日のうちに21~22時間装着していなければいけません。

なので、私はマウスピースをつけたままサクソフォンを吹いています。

ワイヤーと違って、歯が全てプラスチックのマウスピースで覆われているので、口の中を傷つけることはありません。

歯並びによっては少し演奏中に違和感を感じるかもしれませんが、痛くて吹けなくなることもまずありません。

私は結構歯並びが悪かったので、その分マウスピース矯正の中では痛みも強い方だったと思いますが、ほとんど痛みは気になりませんでした。

ただ、上下全ての歯にマウスピース分の厚みがプラスされているので、当然感覚は変わってきます。

それまで、アルトとソプラノはセルマーS90-190にバンドレン青箱の3半をつけていたのですが、案の定同じセッティングでは全く吹けなくなりました。

私の場合、それまでのセッティングだと抵抗が強すぎたので、両方ともS90-180に変えて、リードは3半か3番で演奏しています。

マウスピースをつけたばかりの頃は、喋るのも大変なのに楽器を吹くのなんて大丈夫かな?と思ったのですが、ほんの数日で慣れました。

でも、自分の出したい音を見つけるまでは1ヶ月くらいかかりました…ここで、ハードルが高いと感じる方もいるかもしれませんが、アンブシュアなどを意識する管楽器奏者の人ならちゃんと適応できると思います。

私も、これまでの習慣が壊れたことによって、今までよりも柔軟にアンブシュアがコントロールできるようになりました。

むしろ、演奏家としては有難い影響かもしれません!

歯並びも綺麗になって、アンブシュアのコントロールも上手くなり、その上マウスピースで唇も保護されるので口紙もいりませんし、嬉しいことだらけです!

ただ、親知らずの抜歯や、マウスピースに慣れるまでの時間を考えると、留学中のスケジュールでは出来なかったと思うので、結局今がベストなタイミングだったと思います。

私が実際に楽器を全く吹かなった期間は、親知らずを抜歯した後の5日間と、始めてマウスピースを装着した数日間です。

なので、矯正治療を始めたいと思ったら、事前にスケジュールを確認してタイミングを逃さないように、歯医者さんに相談しにいくのがいいと思います!

歯列矯正を考えている演奏家の皆さんへ

もし、今ご自身の歯並びが気になっていたり、歯列矯正を検討されている演奏家の皆さんがいらっしゃれば、タイミングを見て治療されることおすすめします。

私たち演奏家は、今ある演奏の仕事のことばかり考えがちですが、演奏家・音楽家である前に健康な人間でなければいけません。

歯の健康状態って、若い時はそれほど気にならない人が多いですが、歳を重ねていくにつれてきっとその大切さがわかってくると思います。

今から楽器を引退するまでまだ何十年とあるならば、ベストな状態で演奏できる期間が長ければ長いほどいいですよね。

矯正治療をするのにはお金もかかりますし少し勇気がいるかもしれませんが、歯並びが揃うと新しい楽器を買うよりもいい効果が出てくると思います。

歯の健康は一生ものなので、迷っている方は色んな歯医者さんに相談に行ってみて、ベストな治療を見つけてみてください!

サクソフォン奏者の歯列矯正の話

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